筋トレの基本的な考え方について書いたので、日々の食事についても書きます。
人が何を食べるべきかについては非常に難しい問題です。栄養を十分に取るべきだ、という考えもあれば、飢餓状態が体に良いとする考えもあります。食材一つとっても、牛乳は体に悪い等々、きりがありません。
分からない時は経験に頼るのが一つの方法です。自分の一つしかない体を実験台にするのはリスクが高いです。私の基本的な考え方は以下のとおりです。
1. 古くから長寿の職業と言えばお坊さんです。彼らの食生活を参考にします。それによると人間は精進料理で十分生きられるようです。
2. そのうえで科学的に程度納得できる理論をある程度取り入れ、基本となる毎日の食事をある程度決めます。伝統的な和食が良いとよく言いますが、ではなぜ現代の日本人よりも昔の日本人の方が平均寿命が短かったのか、乳幼児死亡率などをデーターから外しても、現代の日本人の方が健康であると思います。せっかく現代に生きているので、医学、栄養学の発展の恩恵を取り入れます。
3. あまり我慢せず、チートデイなども取り入れ、多様な食材を取り入れます。最終的には自分の勘を信じます。
4. 長い目で見たときの影響がまだ分かりませんので、サプリは飲みません。
精進料理といえば、雑穀玄米、野菜、大豆、ゴマでしょうか。ビタミンやミネラルの細かいところまで計算していませんが、確かにこれでもなんとか行けそうな気がします。一度現代の栄養学に当てはめて考えてみます。
栄養学的には3大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)+ミネラル+ビタミン+食物繊維の考えが主流となります。これが現代の到達地点です。精進料理についてはきちんと計算していませんが、タンパク質と脂質をはじめ全般的に不足しているものの、これで生きてきたので、何とかなるのでしょう。大豆とゴマの力と思います。食物繊維は基準以上でしょうか。
私は別にビーガンになりたいわけではないので、これに肉や魚、卵、乳製品、その他食材を追加します。人類の歴史を見たときに、こち
らの方が自然です。
ではどの栄養素をどれだけ取るか、となるとこれまた結論がありません。現代の長寿化はより多くのタンパク質の摂取することで実現した、との考えがあるようです。体のほとんどはタンパク質で構成されていて、人間は一部のごく例外を除いてタンパク質を体内で合成できないので、説得力のある意見です。また一般に現代の我々の生活は糖質と脂質が過剰になりがちな一方で、まだタンパク質が不足しがちだそうです。一日あたり必要なタンパク質は体重×1.5~2.8倍のグラム数とか言いますが、人類が歴史上こんなにとっていたとは思えません。いろいろ試した結果、体重×1.0倍前後までが無理のない範囲でした(これでも結構難しい)。これでもお坊さんよりは大分多いはずです。
糖質と脂質に関しては、人類の歴史を見たときに、現代人は取りすぎと思いますので、減らします。
ビタミン、ミネラルについては、肉、魚、豆、乳製品、野菜、ナッツ、海藻から基本的には取れます。ビタミンに関しては腸や体内で作られるものも多いので、あまり良く分かりません。腸内細菌の種類によって、作られる栄養素は違うようです。ミネラルについては体内で核融合できませんので、外部から取り入れないといけません。
食物繊維は難しいです。歴史的に見ても、地域や個人差が大きく、そもそもの推奨量が良く分かりません(イヌイットなどは野菜を食べずともそれなりに健康な生活を送っているようです)。最近流行り(?)の腸活では多めの摂取を推奨しています。草食動物などは腸でタンパク質やビタミンを合成しています。生肉や内臓をあまり食べない我々は多めに摂取したほうが良いと考えています。話は飛びますが、ベジタリアンのメリットはこの食物繊維の摂取量にあると思います。豆類からタンパク質を取る場合、同時に豊富な食物繊維を摂取できます。
ということで、人間はあまり食べなくても大丈夫(糖質と脂質は少なめに)、ただしタンパク質と食物繊維を多めに、多様な食材を取ることでビタミンとミネラルを補う、というのが大体の方向性です。
次回は取るべき食材について記載します。